poppinzmamablog

関わってくれている子どもたちや、その親御さんへ向けて発信しています。健やかな育ちを願って!

手指の消毒は必要なのか?

Facebookでとても素敵な投稿を見つけた。

岡本よりたかさんの『ばい菌』という文章。

Facebookの岡本よりたかさんの投稿より

岡本よりたかさんは、郡上で自然農をされている人。

人々に自給自足的な暮らしを勧めて、肥料も農薬も使わない自然農の方法を全国回って伝えるという活動をされている。

「種の学校」という野菜の種を保存する活動もされている。

私は8年くらい前に知って、その種の学校の設立に少しばかりの支援をしたことがある。
5年前の今頃、名古屋で行われた自然農のセミナー(座学)にも参加したことがある。

本も何冊か執筆されているし、考え方や行動力などには本当に敬意をもって、ずっと(主にフェイスブックで)追いかけている。(昨年秋の大人の文化祭では八ヶ岳で実際にお話を聴いてきた)

Facebookで投稿される文章がまたとても素敵で、いつもなるほど~と納得したり、癒されたり、励まされたりする。

今回の『ばい菌』という文章にもほろりとし、これはみんなにシェアしたいと思った。

 

「バイ菌」
またまた古い話になるのだけど、僕の畑に小さなお子さんを連れた若いご夫婦が訪れた。
その頃僕は、ミニトマト摘みと称して、来園者に小さな籠を持ってもらい、かごに入るだけのトマトを持って帰ってもらう商売をしていた。
そのご夫婦は、そのミニトマト摘みに来られたのである。
その日訪れたのは、子どもを連れたご夫婦が二組と母親と子どもで来られた人が二組いた。
子どもたちの年齢は近く、お互い見ず知らずの関係だったが、あっという間に、古くからの仲間のように畑で遊び始めた。
しかし、前述の若いご夫婦の子どもだけは、その遊びに交わらない。よく見ると、夏なのに長ズボンに靴下を履き、スニーカーの紐もしっかりと縛ってある。
その様子を見ていたら、ご夫婦の母親の方が僕の視線に気づき、こう言った。
潔癖症なんです。どこに行っても靴下は絶対に脱がないんです。自宅でもあのまんまなんですよ、可笑しいでしょ?」
母親は少し残念そうにため息を吐いている。
「畑に来れば少しは変わるかなと思って…」
よく聞く話でもある。特に都会の子どもによく見られる現象らしいことは、僕には分かっていた。だからこう答えた。
「バイ菌という言葉、本来どう意味か知ってますか?」
「…分からないです。汚いものというイメージがありますけど…」
ちょうどその時、彼女の子どもが戻って来たので、こう話しかけた。
「バイ菌って知ってる?汚いものだと思う?」
すると子どもはこう答えた。
「うん、汚い」
「そうか。でもね、バイ菌って黴(カビ)のことなんだよ。黴の菌と書いて、バイ菌って読むんだよ。」
「ふうーん」
「ボクは醤油は好き?」
「…うん」
「醤油を作るのは、実はカビなんだよ。味噌もカビが作るんだよ。お酢味醂も納豆もチーズもみんなカビ。
バイ菌のバイはカビのこと。そして菌はきのこのこと。だからバイ菌って醤油や味噌を作る菌やきのこのことを言うんだよ。
僕らはこのカビ菌が作るものでご飯を食べてる。僕らを健康にするのもカビ菌。菌は僕らの身体をも作る凄い奴なんだよ。だから、僕は菌たちのことを神様って呼んでる。
つまり、バイ菌は神様のこと。それがいつの日にか汚いものだと思われるようになった。でもそれは間違い。僕らは良い菌だろうが、悪い菌だろうが、菌がいるからこそ生きているんだ。
だから、バイ菌は必要だし、大事なもの。絶対に嫌っちゃいけないと、僕は思うよ」
それを聞くと、その子は「ふうーん、そうなんだ」と一言言ったまま、しばらく黙り込んでしまった。
僕は、長々とバイ菌について子どもに話してしまったことを少し後悔したが、その後驚いたことに、その子は靴を脱ぎ、靴下を脱ぎ出した。
母親が止めに入ろうしたが、僕それを遮った。
すると、その子はテンションが上がったのか、そのまま裸足で畑の中に入って行き、他の子どもたちと同じようにそこら中を走り出したのである。
僕の話を聞いたからなのか、他の子たちが楽しそうに遊んでいたからかなのは正直分からないが、その子は裸足で畑中を駆け巡ったのである。
その子どもの姿を見た母親は急に号泣しだした。よほど嬉しかったのだろう。
「ここは無農薬だし、金属もビニールも使ってないので、心配しなくても大丈夫ですよ」
と僕は母親に伝えた。
母親は頷きながら、すごく嬉しそうな笑顔を僕に見せてくれた。
「ありがとうございます」
そう言うのが精一杯な感じだった。よほど感動したのだろう。
その後、その子の潔癖症が治ったかとうかは残念なから分からないのだが、ただ、あの時の出来事は、僕にとっても無肥料無農薬栽培をやっていて良かったと思えた最初の出来事だった。
そんなことをふと思い出したので、つい書いてみた。長文に付き合ってくれてありがとう。ではおやすみなさい。

 

岡本さんのfacebookはこちら。公開記事が多いから、アカウント持ってなくても見られるはず。

www.facebook.com

 

コロナ感染症が始まって、毎日何度となく手指の消毒をするようになった。

そのことで、私たちはとても大事なものを失っていると感じている。

塾生の中には、学校で有無を言わせずアルコール消毒をさせられ、手指がずっと荒れたままという子がいた。
アルコールが合わない体質の子がいるのにね。

私はコロナが始まって消毒をしなきゃいけなくなったとき、せめてアルコールではないものを使いたい、子どもたちにも使わせたいと思って、ネットで探して取り寄せた。

 

4年間で習慣になったのだろう。
今でもお店に入る時や出るときに、せっせと消毒をしている人がいる。

本当にそれ、必要でしょうか?