農家民宿時遊庵のオーナーであり、私の夫である「まもちゃん」。
地元では「まもさ」とも呼ばれている。
孫娘ののえちゃんからは「じいちゃん」と呼ばれている。
このじいちゃん、実に子どもから好かれるのである。
のえちゃんはじいちゃんが大大大好きで、じいちゃんと会う時はそれはそれは嬉しそうである。まるで愛する恋人に会うかのように。
生後2ヶ月頃から一人でお泊まりもした。最初はばあちゃんにくっついていたが、いつの頃からかじいちゃんの方にくっつくようになった。
寝るときは腕枕をしてもらう。時にはじいちゃんの首に腕を巻き付けて、顔をくっつけて寝る。
4歳の頃には遊びにきて、「じいちゃんに張り付きにきたー」と言い、ぴたっーと張り付くようにくっついて遊んでいた。
食事の時にはじいちゃんの膝の上を椅子代わりに座って食べる。
そんなのえちゃんが可愛くて可愛くて仕方がないじいちゃんは、よほどのことがない限り嫌がりはしない。トイレ以外はくっついている。
じいちゃんは赤ちゃんを眠らせることが得意で、ママでも全然寝ない赤ちゃんだったのえちゃんも、じいちゃんが抱っこするとすやすや眠りについていた。
息子の子どものさっちゃんも、旅行に行ったときにじいちゃんが抱っこしていたら眠ってしまった。抱っこでなんか寝たことがないと言って、息子たちはびっくりしていた。
時遊庵にやってくる子どもたちも、じいちゃんが大好きである。
本当のおじいちゃんのように慕ってくれる。のえちゃんとじいちゃんの膝を取り合うこともある。

夏の終わりに、じいちゃんの昔の教え子が家族で遊びにきた。
教え子の子どもの2歳になったばかりのヨウちゃんも、じいちゃんのことが気に入ったようだった。
「じいちゃん、じいちゃん」とやけにはっきりした発音で言って、あとに着いて歩いた。
じいちゃんがのえちゃんを連れてお風呂に行ってしまったら、お風呂の入り口で泣いていた。
夜寝る時には「じいちゃーん」と泣いてなかなか寝なかった。じいちゃんが寝室に行って顔を見せたら、すぐさま抱っこされてきて、そのあとじいちゃんの腕の中で寝んねしたという。
1ヶ月経った頃、私とじいちゃんはようちゃんの家に行くことになった。
先に私が家に上がると、ようちゃんは嬉しそうに満面の笑顔で迎えてくれた。私のことを覚えていてくれたようで、「ばあちゃん」と言った。
そのあと、玄関から上がってきたじいちゃんを見たようちゃんの喜びように、私は感動してしまった。
両手で口を覆い、首を横に振りながら、それはそれは嬉しそうな声で「じいちゃーん」と何度も言った。
それはまるで「うっそ~、なんでじいちゃんがここに来たの? 信じられない! 嬉し過ぎる~」と言っているかのようだった。
すぐにじいちゃんに抱っこされ、ずっとにこにこしっぱなし。

夕飯の時も、食べかけでじいちゃんの手を引いて遊びに誘い、じいちゃんはゆっくり食べる暇がなかった。
こんなに好かれるじいちゃんのことを、私たち家族は「何か子どもを引き付けるフェロモンが出ているのかもしれない」と話している。
子どもから好かれる男性のタイプというか条件を調べてみた。
① 明るくていつも笑顔でいる
② 顔が丸い
③ 優しいオーラが出ている
④ 子ども目線で遊ぶ
⑤ 褒めるのが上手
⑥ 運動神経が良い
⑦ リアクションが大きい
なるほどと合点する。
じいちゃんに関しては、⑥以外は当てはまっているようだ。
若い時はきっと運動神経が良かっただろうが、70歳に近くなった今は、そうとは言えなくなっている。
けれども、腰が痛いと言いながらも抱っこするし、一緒になって床を転げまわることもする。孫と一緒にダンスもする。
子どもに好かれる条件は満たしている。
が、しかし。
そんな条件は横に置いておいても、なぜか子どもたちから好かれまくるじいちゃん。
めちゃくちゃ幸せ者である。















