poppinzmamablog

関わってくれている子どもたちや、その親御さんへ向けて発信しています。健やかな育ちを願って!

私たちは憲法についてあまりに知らな過ぎる

「檻の中のライオン」という名前の本がある。
4年くらい前に買って読んだ。
楾大樹さんという広島の弁護士さんが書いた本。

 

楾さんは以前は特に政治に関して特別な関心は持っていなかったらしい。
しかし、集団的自衛権が決められた時に、憲法という檻が壊され始めていると危機感を持ち、本を書いて全国を講演活動し始めたそうだ。

 

profile.ameba.jp

講演の名前が「檻の中のライオン講演会」略して「オリライ講演会」と言う。

そのオリライ講演会が5月18日に恵那市山岡町で開催されたので話を聴いてきた。
というより正確には、その講演会の企画をお手伝いしたのだった。

企画した木村さんは奄美大島まで友人が主催する「オリライ講演会」をお手伝いに行ったのだという。
そこで話を聴いて衝撃を受け、これは恵那でも開催したい!と強く思い、私に連絡をしてきた。
それが5月10日のこと。
「晴代さん、16日~20日の午前中でどこなら空いていますか?」とLINEしてきたのだった。
「18日だったら大丈夫」と返信した。

 

私もけっこうなスピードで決めたりするけど、講演会を一週間前に決めるって、私も顔負けのハイスピードな行動力だ!
しかも、奄美まで講演会のお手伝いに行くって、素晴らしい!!と、拍手喝さいだ。



日付を決めたところで急いで会場探しをしたのだが、有料となると公営施設は借りられないところが多い。
大丈夫であっても物販はダメと言われたりして、木村さんは奄美から電話をかけまくった。

私は友人知人にどこか良い場所はないかを聞きまくった。

結局条件に合う会場は恵那市の市街地では見つからず、木村さんが住む山岡町の公民館を借りることとなった。

 

余談だけど、恵那市だけでなく、他の市でも有料のイベント(講演会とかワークショップなど)だと貸し出しNGの公共施設が多い。または会場費が2倍3倍になったりする。
主催者は儲けなど出ず手弁当でやることが多いのに、しかも世の中を良くするためにやろうとしているのに、公共施設を貸し出してもらえないって凄くおかしいと思う。税金払っているのに・・・。

今現在7月2日の講演会の会場探しをしていて、憤慨している。

 

さて、会場が決定したところで木村さんがイベントページを作成し、集客活動をスタートさせた。

 

私の友人がさっそく申し込んでくれたが、5名から全然増えない。

思いつく限り、LINEしまくり、Facebookのいろんなグループでも呼びかけた。

その結果、前日15名を越して、当日の参加もあって全部で20名以上になった。
その中には小学生や20歳前の若者もいた。

 

ここまで前置き。

 

講演会の最初はいきなりの質問。

Q:憲法を守らないといけないのはだ~れだ?

  ①国民みんな ②国民みんなじゃない

 

この質問、私も塾の中学生にしたり、知り合いなどのしたことがあるのだが、

①国民みんな を選ぶ人が圧倒的に多い。

私自身も以前はそう思っていた。



でも、実は、憲法を守らなければいけないのは、

国民(一般人)ではなく、権力を持つ人なのだ。

憲法の第99条にそれが書いてある。

天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 

憲法というのは国のルールというより、権力者をしばるものと言える。



なぜ、権力者をしばる必要があるのか?

 

それは歴史を振り返った時、権力を持った人というのは、自分の都合良いように決めたり行動したりすることがほとんどだと分かっているから

80年前までの大日本帝国憲法は、憲法とは名ばかり、実は権力者をしばるような内容ではなかったと言える。

 

楾さんは、権力者を「ライオン」に、憲法をライオンをしばって(閉じ込めて)おく「檻」と例えている。


楾さんは、人形(パペット)を使って分かりやすくお話してされる。

 


大日本帝国憲法は、まずライオンがいて、ライオン自身が作った憲法だった。
だから自分に都合のよい内容になっていて、その結果、都合の悪いことを言う(反論する)人を捕まえる「治安維持法」を作り、軍事を大きくして、戦争へ突き進んでしまった。

 

だから、ライオンを閉じ込めておく檻「日本国憲法」を作った。

この憲法を作ったのが誰か?というところが問題であると言われるけれど、
誰が作ったとしても、大日本帝国憲法よりはずっと良いし、今問題になっている自民党改憲草案よりは数百倍良いと思っている。


ところが、このところ、ライオンが檻を抜け出しているようだ。

すでに檻は壊されて、ライオンは好き勝手に歩き回っている。

 

集団的自衛権強行採決してしまったこと。


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特定秘密保護法を作ったこと。

 

これらは第二次安倍政権になってからのこと。

安倍政権は、檻の破壊を加速したと言える。

 

ライオンはやりたい放題している。

 

けれども、私たち国民は無関心であったり、選挙にも行かない人が半分いる。

それは、憲法について知らな過ぎることも原因の一つだと思える。

 

 

今回私が一番衝撃だったのは、小学6年の社会の教科書の話だった。

実際の教科書の写真を見せながら、このページはこんな内容、ここはこんな内容と、詳しく見せてもらった。


憲法という言葉の扱いが極めて軽い。

憲法が、権力をしばっていることが書かれていない。

・人権を守るのは国家ではなく、私たち国民と書かれている。

自由権の扱いがない。

 

この教科書で学んだ子どもたちは、
憲法について正確に知ることもなく、
自分たちに人権があること、その人権はすごく大事なもので、
誰からも侵されるものではない、
ということを知らずに大人になる。(中学でも同じような感じ)

そして、人権侵害されても怒らない、
そもそも何が人権なのかさえほとんど知らずに(考えることもなく)生きている。
困ったことがおきても、仕方がないと諦めてしまう。

政治について考えることも話すこともなく、選挙に行くこともない。

そんな大人が大半になっている日本。

選挙に行かない人が多いのが不思議で仕方がなかったのだけど、こんなからくりだったとは!?

 



教科書がそうであるのは、文科省が作っている「指導要領」がそういうふうに書いているから。

教科書会社が独自に正しいことを書こうとしても、教科書検定で引っかかって採用されなくなるという仕組みがある。

子どもたちに、憲法の勉強をちゃんとさせたいなあと思っている。

 

最後に12条を紹介された。

私たちは「不断の努力」をしていかないといけない。

 

最後に記念撮影。楾大樹さんと木村さん夫妻
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楾大樹さんのYouTubeを聴いてもらいたい。

こちらはフルバージョン

youtu

こちらはショートバージョン

youtu.be

 

 

4月から憲法について勉強会を作っている。

それで、そこで何本か動画を撮ってYouTubeで発信している。

30分くらいの動画なので、何かしながら聴いてみてほしい。

 

youtu.be