本や+αで久しぶりの「チネマピッコロ」を行った。
チネマピッコロというのはイタリア語。
英語で言うと「ミニシアター」のこと。
日本語で言うと「小映画館」
本や+αでは、月に1回「チネマピッコロ」として様々なドキュメンタリー映画を上映してきた。
今回上映したのは『タネは誰のもの』というドキュメンタリー映画。
10月26日くらいから、国会で「種苗法改定法案」が審議入りしたそうだけど、知っている人は少ないと思う。
私は一昨年前に話題になった「種子法廃案」のときに、少し記事を読んで知っていたけれど、詳しいことはよくわからなかった。
ネット上には賛成派の意見と反対派の意見が出てくるけど(そりゃそうだ)
私がフォローしている人々のほとんどは反対派だから、反対の意見を読むことが多い。
それでも、種子法廃止も種苗法改定も必要なことだという人もいることを無視もできないと思っていた。
10月最初ころに、元農政大臣だった山田正彦さんの記事を読んだ。
それは要約すると、
・6月に見送られた種苗法改定法案が国会で審議入りする。
・この法案が通ってしまうと日本の農業にとって大変なことになる。
・「タネは誰のもの」という映画が10月30日に一般公開されるが、
それより先に自主上映をして、少しでも多くの人にこのことを広めてほしい。
(そのために新作映画としては破格の1回1万円という上映料になっていた)
そんな内容だった。
それを読んだ私は、すぐさま「本や+αで上映しまーす」と申し込んだ。
そして、正式に申請許可が下りる前に、Facebookでの告知を始め、チラシもソッコーで作成し(クオリティーは気にしないで)、配布を始めた。
10月24日と29日に上映会を行った。
24日は女性8人に高校生が1人参加。
29日は男性と女性が半々で11人。
<観た人の感想羅列>
・ネットで話題になっているが分からないから観に来た。育成者にとっては良いが、どっちが良いとは今は言えない。
・食という人間にとって一番基本のことを「競争原理」で考えることに違和感がある。
・このまま決定になると大変なことになると思う。法律を作る人たちが国民の方を見ていない。世界の大企業を儲けさせる法律にしか思えない。
・映画の中では果樹だけが取り扱われていたが、野菜も交雑してしまい、そうなると訴訟になることがあり得る。長引けば費用負担が大きくなり、農家は負けるか諦めてしまうだろう。
・正直難しいと思った。モンサントが良くないとはわかっているが、もっとわかりやすく説明が欲しかった。
・タネは苗も今は買う人が増えている。映画の中で「人任せにはできない」という農家の人の話があったが、農業に限らず、いろんな面でアウトソーシングしてしまっている現実があり、問題意識の低さがあると思う。
・SNSの記事でいろいろ読むが、しばらくすると消えてしまったりしているので、やはり本でしっかりと読みたい。
・自分の食べる分は自分で作る、そんな人が増えていくことが、大事なことではないだろうか。
感想をシェアする中で、最後に出てきたこと
*知らない人が多いので、一人でも多くの人に(周りの人に)伝えていくことが大事。
*農業を大事にする。自分の食べるものを作れるようにする。
あるいは、作物を作っている人から買って応援することが大事。
*次に上映会が出来るできるように、働きかけていきたい。
(多治見で出来るか? 本や+αでもまたやりたい)
実は映画の中では、種子法や種苗法の説明があまり詳しくは出てこない。
ある程度知識のある人は分かるが、そうでないと単に「よく分からない映画」になってしまう。
私自身もまだまだ分かっていない面があるので、少し調べてみた。
この印やく(変換できず)智哉さんのFacebookの記事が、納得できた。
https://www.facebook.com/InyakuTomoya
11月1日現在最新の記事のコピペ
自分は種子は買っているから種苗法改正案は関係ない、という農家は少なくない。でも、そうではすまなくなる。その買っている種子が変わっていく可能性が高いからだ。種苗法改正で何を狙っているのか、しっかりと見る必要がある。これまで買っていた種子が廃盤になって買えなくなる。買っていた自治体が作る安くて質のいい種子がいつのまにか民間企業の種子に変わっていく。知らない間に「ゲノム編集」されてしまっているかもしれない。多様な銘柄は減らされ、選択の余地が減っていく。そして、徐々に値段が上がっていく。やがては企業農園しか生き残れない、農家が生き残れない世界になってしまうかもしれない。でも、それは世界で失敗した政策で、今は小規模農家こそが肝心と言われている時代。世界は変わっている。変わらずに昔の発想で突き進もうとしているのが日本政府。失敗するのは確実だろう。これを変えるのは自家増殖している農家だけの課題ではない。すべての農家に関わってくること。農業していないから種苗法改正関係ない、というかもしれない。だけど、このまま農業の民営化、グローバル化が進むのを気にせずにいたら、世界の他の国が拒絶する農薬だらけの食品を食べる羽目になっているかもしれない(すでにそうなりつつある)。いや、まだ食べられるだけいいかもしれない。今後、何か起きれば日本は3分の1しか自給していないのだから、単純に考えれば3分の2は飢えるということ。これ以上の大問題を放置できるだろうか?だからこそ、社会のど真ん中の課題として議論しなければならない。食の問題は一部の人の問題では決してあり得ない。食べないで生きていける人はいないのだから。
種子法とは・・・? Wikipediaより
主要農作物種子法(しゅようのうさくぶつしゅしほう、昭和27年5月1日法律第131号)は、主要農作物であるコメや大豆、麦など、野菜を除いた種子の安定的生産及び普及を促進するため、米、大豆、麦の種子の生産について審査その他の措置を行うことを目的として制定された日本の法律である。通称は種子法。
2018年(平成30年)4月1日から廃止された[1][2]。食糧難だった時代に制定されたが、大都市と農業県に国が一律に指導する形は廃止され、市町村など各地方自治体ごとに奨励品種への権限が委譲されるようになった[3]。
種子法は廃止されたが、都道府県ごとに条例を作って、米・大豆・麦の種子を守っていこうとしている。
だから、今の時点では、困る事態には陥っていない。
ところが、種苗法改定ではその主要穀物の種子さえも対象となってしまう。
農水省は、登録品種だけが対象だから大したことではないと言っているそうだが、
印やくさんが面倒くさい計算をし直したら、66%ほどが登録品種だったそう。
とにかく、この種苗法が改定されると・・・(ざっくり私のまとめ)
農家の自家採種が出来なくなる。(違反すると懲役刑と1,000万円以下の罰金)
毎年タネや苗を買うとなるとものすごく経費がかかるようになる。
中小規模の農家は農業を続けることができなくなる。
登録品種でないからと安心はできない。
(交雑してしまって登録品種かどうかが分からなくなるかもしれない)
大規模農業企業が支配する。
モンサントなどのケミカル企業が農薬とセットにしたタネを売り出す。
遺伝子組み換えとかのゲノム編集された作物しか選べなくなる。
化学肥料、農薬まみれの作物しか選べなくなる。
(大金持ちは有機栽培などの作物を買えるだろうけど)
ということで、農家だけの問題ではなく、
私たち消費者にとっても生きるか死ぬかの大問題だと思う。
印やくさんの記事を読むと(長いし難しいけど)、
日本がまったく世界の流れとは真逆に進んでいることが分かる。
世界は有機農業に完全にシフトしているのに、
日本は有機農業は無理だ諦めていたり、ひどい話では「有機農業=宗教的」みたいなイメージもあると聞く。
改めて家で無農薬の野菜を作って食べられるって、すごくすごく幸せなことだと思う。
自分の家に田んぼや畑があったら、絶対に手放さないでほしい。
自分たち家族が食べるものだけ、
どんなに不細工な野菜でも、
どんなに草取りが大変でも(これは私自身はほぼ出来ないので申し訳ないのだが)、
みんなで協力して作っていこうよ。
なんだかまとまりのない内容になってしまったけど、
「タネは誰のもの」の映画を観て、一人でも多くの人に伝えることが大事だと思って書いてみた。
ちょうど今日、大西つねきさんと岡本よりたかさんと中島デコさんのトークセッションというのがあって聴いていたら、
岡本さんが、ここに私が書いたようなことをお話されていた。
岡本さんの記事からも学ばせてもらっている。
関心ある人は覗いてみて。
https://www.facebook.com/yoritaka.okamoto
大阪の住民投票、反対派が多かったみたい。
以前より関心を持つ人が増えたとしたら、嬉しいこと。
・・・と思ったら、投票率は前回より4ポイント下がったんだそう。
でも、政府も後押ししていた大阪都構想は否決されたということ。
大阪市民じゃないけど関心を持っていたから、良かったと思う。
いろんなことに関心を持って見て行かないと、困ったことになることが多すぎるなあ。